Deep Dive 各社の技術広報が明かす「RubyKaigiスポンサーの裏話」運営ノウハウやコミュニティへの想い@luccafort編
アジェンダ
自己紹介
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所属: 株式会社マネーフォワード エンジニアリング戦略室 エンジニアエンゲージメントグループ 技術広報(くそなが)
Kyoto.rb オーガナイザー、Kyoto.go オーガナイザー、Go Conference 運営スタッフやってます。
なぜ技術広報だけのイベントを開催したのか?
元々はRubyKaigi x 技術広報というイベントをやろうとしていた。
Rubyコミュニティへの感謝・貢献
世間的な技術広報の需要の高まり
タイミング的にRubyKaigi開催の2ヶ月前なので各社ノベルティやブース準備で忙しいはず。参加した人の参考になるはず!という思い。
Rubyコミュニティに貢献しつつ、自社のブランディングにもいいのでは?というところから企画が2022年12月初頭に企画スタート。
ところが集まって「技術広報のやってることってなんだっけ?」を話したところ泥臭いことばかりで華々しさがない。しかも各社の事情ごとに広報戦略が異なるので参考になりにくい側面があることもわかった。
やる価値はありそう、どういう価値を届けるか?で少し悩むこととなった。
Howの話はあまり参考にしてもらえないかもしれないがWhyの話を伝えることで「スポンサーしたことがない、あるいは今回始めてする企業に対するメッセージになるのではないか?」と目的を若干ピボットした。
実際イベントをやってみてどうだったか?
想定よりも遥かに反応が良かった。
当初集客目標を80名程度(各社20名程度)と見込んでいた。実際には150名を超える応募者が来てくれた。実際の参加者数(ユニーク)も応募者の60%くらい来ていた。
アンケート結果も参加者(ユニーク)の40%くらい投稿してもらえた。
ターゲットが技術広報よりの人(人事や広報)を設定していたが思っていた以上にエンジニアが来てくれた。
Arumaさんや緑川さんのスライドの反応がとても良かった。
いまだにちょくちょく↓の発言が引用されたり、メンションが来たりする。
なぜこのイベントは刺さったのか?
理由はいくつか考えられるが一番大きな理由はRubyコミュニティを対象にしたイベントだったから。
アンケート結果だと技術広報35%、エンジニア35%、エンジニアリングマネージャー・テックリード13%、人事・広報が10%。残りはフリーランスやスクラムマスターなどその他区分。
Rubyは楽しい言語なので、楽しく開発する人が多い(仮説)。なのでお祭り好きが多い(仮説)。結果Rubyのイベントだ!いくぞ!!!!という流れが出来た。
理由その2。イベントページの公開から実施までのタイミングが良かった。
RubyKaigi開催2〜3ヶ月前。このタイミングはノベルティなにを作る、ブースでなにを企画する?を話し合い、決めていくタイミング。
他社がどう考えているか知りたい、自分たちが作るノベルティの参考にしたい!と考えている人たちが一定数いた。
スポンサー周りを扱う人の半分くらいは人事・広報の人。エンジニアコミュニティをあまり知る機会がない(そういった発信がそもそも少ない)のでとてもタイムリーだった。
RubyKaigiの当落情報が出始めるあたりでイベントページが公開され、当落確定したタイミングでイベントが実施される
理由その3。近年技術広報やDevRelという文脈の仕事が目立ちつつあるから。
やってることはいままでのEMの仕事の1つ。なんだけどそういったところに専任者をおいて投資できる組織というアピールが増えてきたことが1つ。
エンジニア採用が激戦すぎて各社の情報発信や技術広報的なナレッジやノウハウを少しでもキャッチアップしたい需要が高まっているから。
エンジニア・ハッカー文化が独特すぎて、下手をすると炎上してしまうことがあるのでとてもセンシティブだから。
一般的な広報部の仕事と技術広報やDevRelの仕事はまた少し異なるところがあり、コミュニティマネジメント要素があるがそういった書籍はまだ世の中に出回っていない(少なくともエンジニア界隈以外では)から。
理由その4。登壇発表の内容がエンジニアや技術発信に関わる人にとって共感を生みやすい内容だったから。
エンジニアとセールスの文化的な差異による摩擦やブース設営なんてやったことない、なにをやればいいんだという困りごとの共有が共感を生んだ。
誰でも話せるが意外と誰も話していない内容だったこと、ツイ廃が多いRubyコミュニティが拡散することでより多くの共感や関心を引き寄せることになった。
多少はあると考えていたが正直なところ、想定を大きく上回っていた。
そのほかにも理由はあると思うが大きく影響してそうなものはこの4つ。
まとめ
魂の叫びのまとめ
なんでこんな発表したのかって?
セッションだけじゃなくていろいろ考えて苦労して設計したブースで参加者を待ってるからだよ!!!!!!!luccafort.icon
以下、真面目なまとめ
技術広報的な観点の発信はまだまだ世の中に少ない。
発信できる内容を抽象化してしまうとどれも同じような内容になるか、自社事情に大きく依存してしまいやすい。
こんなの需要あるの?は「誰に」「いつ」「なにを」届けるか次第。
需要があるかどうかを決めるのはお前じゃねえんだよ!!!って言われた気持ちになった。需要、なにもわからない。
カンファレンスのナレッジや経験を伝える分母ははっきり言って少ない。
少ないからこそ関心が高いともいえる。
自分たちの当たり前は世間の当たり前ではないことを発信を通して体感した。
発信することで「情報発信戦略のような中長期的な投資ができる、そういうことを考えてくれる組織なんだ」というPRになった。
これは実際に面談に来てくれた人がいっていたらしい。それも1名ではなく何名かがいっていたらしい(伝聞)。
https://gyazo.com/eb0a8784bf1b9f55c708c66557df3e1c